じゃんけん

じゃんけん、弱いです。
とてつもなく弱い。

小学生の時、いつも負けてばかりでじゃんけんが心底いやだった。
私、闘争本能のようなもの、ないと思う。

小学２年の時だったと思う。

その時もじゃんけんで負けた。
しかし、どうして子どもの頃っていっぱいじゃんけんするんだろう…
あ、遊んでばっかりだからか。
負けてふてくされる直前、ふと、Ｎ君に尋ねてみた。
幼馴染の当時の相棒。
Ｎはじゃんけんが結構強かった。


＜じゃんけんってどうしたら勝てる？＞
あまりに真剣に聞いたんだろう、引くような体制だったけど教えてもらったことがある。
＜じゃんけんの最初っててのひらを握っていると思う＞
うんうん。そういえば軽く握ってる。
＜じゃんけん～ぽいって言って手を前に出す時、だいたいニンゲンは握っている手を変化させる＞
ふむふむ。
＜そういう時に出るのはパーが多い＞
え。
＜こっちも握っているから手の形を変化させるとしたらお前、何出せば勝てると思う？＞
うーんとうーんと。
＜チョキ＞
向こうがパー出してきて、こっちは握ったままだったら負ける…変化させるとしたらパーかチョキ。
チョキなら勝てる！
＜当たり！もし相手もチョキだしたとしてもアイコだろ？＞
うん！そうだね！！
＜そしたら次が肝心＞
次、何出したらいいの？
何出せば勝てる？
ねえ、オシエテ～
＜次に何出すか…ものすごい重要だ＞
はい、その通り。
＜それは自分で考えて＞

は？

Ｎ君はそれ以降一切教えてくれなかった。
私は一回戦は勝率五割になった。
その後は１割程度しか勝てない。
Ｎ～もしかして次の一手、わからなかったんじゃないのぉぉぉ。